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米国陸軍東京渉外事務所 フォーラー所長による講演

「米国陸軍東京渉外事務所の業務について」

 

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フォーラー所長による講演

 

 

本日は、お招きいただきありがとうございました。当旅団は、太平洋の尖兵として、軍団レベル以上の太平洋戦域部隊に対する情報支援を行っております。
なお、これからお話し申し上げますことは秘密扱いではないことを申し添えさせていただきます。
ただ今より、当旅団について、その概要をご説明申し上げます。
その歴史をはじめ、指揮関係、任務、機能、組織について、また当旅団が米陸軍に対して行っております、戦略、作戦、戦術レベルにおける、戦時平時にわたる情報支援の内容について、順次述べてゆきたいと思います。最後に、当旅団の最近の活動状況についてお話し申し上げます。

 

当旅団の歴史は、第二次世界大戦にさかのぼります。当時、南西太平洋において対日本軍作戦を実施中のマッカーサー将軍及びその部隊を支援するために「連合軍極東通訳翻訳部隊」が編成されました。それが、当旅団の前身となりました。
太平洋戦域において一段と増加した情報支援要求に対処し、また、国家レベルの諸機関からの需要に応えるべく、1952年9月、第500軍事情報支援群が編成されました。
1987年10月の再編成により、第500軍事情報部隊は旅団へと昇格し、以後、作戦戦闘部隊の支援に大きな比重が置かれるようになりました。
戦域情報支援体制を一層強化するため、1992年には、第205作戦大隊がハワイ州フォート・シャフターで編成されました。また、1994年には、軍団軍事情報支援部隊がワシントン州フォート・ルイスにおいて編成されました。
1995年9月には、当旅団において軍事大隊が臨時編成され、在日部隊の指揮統制体制が刷新されました。

 

当旅団は、これまでその任務の焦点を戦略面に合わせ、主として人的情報および対情報活動に従事してきました。しかし、現在は、陸軍戦闘部隊に対する作戦および戦術レベルの情報・保全支援を主体に、多分野にわたる任務を遂行しています。

 

当旅団が任務の主要対象とするのは太平洋コマンドの責任地域ですが、北鮮はそれに含まれません。太平洋コマンドの責任地域は、地球の表面面積の半分ほどに広がっています。その中には12の異なる時間帯域が存在し、世界でも強大な陸軍保有国10カ国のうち、7カ国までが数えられます。太平洋コマンドの陸上部隊である米太平洋陸軍は、同地域内にある43の独立国のうち、39カ国と活発な協力関係にあります。

 

 

 

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